スター・ウォーズの旧三部作を観て、「レイア姫って正直かわいくない…?」と思った方はいませんか?
あるいは「なんかおばさんっぽい」と感じて、違和感を覚えた方もいるかもしれません。けれどその印象、本当に彼女の魅力を理解できていると言えるでしょうか?
この記事では、そうした“第一印象”の裏にある時代背景や、美的感覚のギャップ、そしてキャリー・フィッシャーという女優が持つ本当の魅力について、映画ファンとして丁寧にひもといていきます。
なぜ「レイア姫はかわいくない」と検索されるのか?
現代と1970年代では“かわいい”の基準が違う
レイア姫が初登場したのは1977年の『スター・ウォーズ/新たなる希望』。当時のアメリカの美的感覚は、自然体で知性を感じさせる女性像が主流でした。
今のように「目が大きくて小顔、メイクバッチリ」という“インスタ映え系美人”が求められていた時代ではなかったのです。
また、撮影技術や映像の色味も現代とは異なり、肌感や雰囲気が“地味”に映るのも無理はありません。
SNS時代の「かわいい」と映画のヒロイン像の違い
今の若い視聴者が求めるヒロイン像は、どこか「偶像的」で「キャラ的」な可愛さです。しかし、レイア姫はその真逆。強く、賢く、リーダーシップのあるリアルな女性像なのです。
そういった点で、表面的な“かわいさ”を求めて観ると、「かわいくない」というギャップに直面するのも理解できます。
「かわいくない」と言いたくなるのは“期待とのズレ”
レイア姫=プリンセス=ディズニー的ヒロイン、という先入観を持って観てしまうと、「思ってたのと違う!」というギャップが生まれます。その結果、「かわいくない」「おばさんっぽい」と感じてしまうこともあるのです。
キャリー・フィッシャーの魅力とは?
美貌ではなく「芯の強さ」が魅力のヒロイン
キャリー・フィッシャーは、ただのプリンセスではありません。反乱軍のリーダーとして強い信念を持ち、状況判断に優れ、敵に一歩も引かない。
“守られる女性”ではなく、“自分で切り開く女性”なのです。
このリアルな人間性こそが、当時としては非常に革新的でした。
当時のハリウッドでも異例の女性像
1970年代後半、ハリウッド映画でここまで主導権を持つヒロインは珍しかったのです。
しかもキャリー・フィッシャーは、気品と知性を併せ持ち、男社会の中で堂々と自分の意見を言えるヒロイン像を作り上げました。
笑顔も皮肉もキレる、魅力的な“人間くささ”
レイア姫の魅力は、ただのお姫様で終わらない“人間らしさ”にもあります。ハン・ソロとのやりとりではユーモアも見せ、時に皮肉っぽく、時に愛情深い。
この“万能ではない、でも魅力的な女性像”が多くの映画ファンを惹きつけたのです。
なぜ“おばさんっぽい”と感じるのか?
キャリー・フィッシャーの年齢は実は20歳そこそこ
「おばさんみたい」と感じる方が多いのですが、撮影当時のキャリー・フィッシャーはわずか19歳~21歳。
今見返すと落ち着いた雰囲気が“大人びて見える”だけで、実年齢はむしろ若い部類なのです。
大人っぽい話し方や髪型、衣装も、そうした印象を与えている要因のひとつです。
映画演出の“古さ”が感覚を変えてしまう
映像の色味、照明、メイクなど、1970年代の映画ならではの“くすんだ”雰囲気もあり、現代的なキラキラした映像に慣れている人には「老けて見える」錯覚を生みます。
しかし、これは技術的背景によるもので、俳優本人の魅力とはまったく関係がありません。
視聴者側の美意識にも偏りがある
「おばさんに見える」と感じることは、“自分の中の理想像”とのズレを反映しているケースもあります。
昔の映画を観る際には、「その時代に求められた女性像」「役柄が持つ意味」にも目を向けることで、新たな発見があるかもしれません。
まとめ|
レイア姫を見て「かわいくない」「おばさんみたい」と思ってしまうのは、今の時代と当時の感覚のギャップが生んだ誤解かもしれません。
キャリー・フィッシャーが演じたレイア姫は、決してただの“見た目のヒロイン”ではなく、強さ・知性・品格を持った、まさに映画史に残る女性像です。
表面的な“かわいさ”ではなく、「どう生きているか」「どう戦うか」にこそ魅力を見出す視点が、映画をより深く楽しむカギになるはずです。
もしレイア姫に違和感を覚えたなら、もう一度観てみてください。彼女のまなざし、言葉、行動には、時代を超えて輝くものが詰まっています。
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